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ドラゴンスピリット(PCエンジン版) ドラゴンスピリット(PCエンジン版)データ 概要 裏技 他作品との関連 データ バンダイナムコゲームズ:2007年11月13日配信 ナムコ:1988年12月16日発売 ジャンル:STG プレイ人数::1人 コントローラ:GC・クラコン・リモコン 使用ブロック数: 紹介ページVC紹介ページ 概要 裏技 他作品との関連 VCで配信されているソフトドラゴンスピリット(AC) ドラゴンセイバー(PCエンジン版)(PCE) VC配信が期待されるソフトドラゴンスピリット 新たなる伝説(FC) 関連するアーケード作品ドラゴンスピリット(AC) ドラゴンセイバー?(AC)
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アイスホッケー アイスホッケーデータ 概要 CM データ 任天堂:2006年12月02日配信 任天堂:1988年01月21日発売 ジャンル:SPT プレイ人数:1人 コントローラ:リモコン・GC・クラコン 使用ブロック数:93 攻略ページhttp 紹介ページVC公式 概要 アイスホッケーを簡略化してゲーム化 パックの取り合いをしていると突然始まる乱闘が楽しい 1チーム4人で組み合わせは自由 選手は3タイプから選べるチビ:バランス型 ヤセ:スピード重視 デブ:パワー重視 世界各国のチームのうち一つを選び対戦をしていく。国ごとの能力差は特に無い。気分ですよ気分。 CM 氷の上の格闘技 任天堂アイスホッケー
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グッドタイミング 784 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2008/12/30(火) 20 01 44 ID wROFOnrU ≫765 ノートの液晶だと色味がまるっきり判りません。変だったら教えてください。
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グッドナイト、スイートハーツⅣ ◆LXe12sNRSs ――――鴨の数は、 ◇ ◇ ◇ ――魔界にやさしい王様がいてくれたら、こんな辛い戦いはしなくてよかったのかな……? きっかけは、心優しい魔物の女の子の言葉。 泣きながらでも戦わなければいけない、そんな宿命を課せられた魔界の子供たち。 ガッシュもその一人だったが、彼はこの戦いを受け入れた。納得したわけではない、抗うために受け入れたのだ。 やさしい王様になり、コルルのような思いをする者がいなくなるように頑張ろうと、あの日清麿と誓ったから。 だからここまで来れたのだ。 傲慢な王を目指す者、強い王を目指す者、部族の本懐を遂げようとする者、愛のために戦う者、 いろいろな目標を掲げるライバルたちと戦い、そしてガッシュは、着実に夢へと近づいていた。 その矢先に、ガッシュは参加を強いられた――魔界の王を決める戦いよりももっと愚劣な、バトルロワイアルに。 ただし、それでもガッシュの信念は揺るがない。 勝ち抜けばいいのだ。自分の思うやり方で、やさしい王様を目指すべく。 なにも変わらない。泣きながら戦う者がいるならば、自分がやさしい王様になって、泣かなくて済むようにしてやればいい。 そう――やさしい王様を目指す者として、ガッシュは皆を泣かせる螺旋の王に、断固として立ち向かう決意をした。 ふと、目線を下にやる。 そこには、チェスによって放られた一冊の赤い本がある。 ガッシュにとっての武器であり、生命線であり、王を決める戦いの参加資格のようなもの。 ガッシュの目標に対する情熱にも似たその赤い輝きが、神秘的に明滅しているのに気づく。 同時に思い出す。埠頭で夢を語り合った剣持勇が、清麿にしか読めぬ本を読んでいた事実に。 なにがどうなってああなったのかは、ガッシュにはわからない。だが、直感は働いた。 赤い魔本に灯る輝き。その光の粒子が誘う先に、彼女はいた。 ガッシュ同様、悲しみを嫌い、この場にいる全員を助けたいと願っている少女。 今のミリアなら、この本が読めるのでは、と。 「ミリア! この本を読んでみるのだ!」 「え、え?」 本を拾い上げ、ページを開き、ミリアの眼前に晒す。 彼女の細腕に本を持たせ、表記されている魔界の文字を目で辿らせた。 「どうだ!? 読めぬか!?」 「え、ええええ……こんな難しい字読め……読める! ここだけ読めるよ!」 清麿にしか読めないはずの本。剣持がそれを読んでみせた事実。そして今のミリア。 ガッシュはそれらの事柄をなんとなくレベルで認識し、これしかないと思った。 彼は清麿ほど冷静で知的には動けない。だから、直感に従う他なかった。 「ミリア! 今すぐその部分を読むのだ! 早く!」 「う、うん! わかった!」 こうしている間にも、チェスは剣を直下へ、ティアナは絶望からかまたナイフを喉元に、最悪の結果が生まれようとしている。 それだけは阻止しなければならない。 やさしい王様を目指す者として。 誰も、欠けさせてはならない! 「――第三の術! ジケルド!!」 ミリアが唱えた瞬間、ガッシュの口から小さな光球が放たれた。 バチバチと火花を散らし、プラズマのようにも見えるその速度は、酷く遅い。 瞬間的に全員の注目がガッシュの放ったプラズマにいくが、そのプラズマもすぐに萎んでしまった。 いや、違う。萎んだのではなく、当たったのだ。ティアナがクロスファイアで破壊した、デッキブラシの残骸に。 甲板に散らばり短い柄だけとなったそれは、プラズマの光を受けてその本体も強く輝き出した。 そして、効果が発動する。 「え……な、なにっ!?」 「なっ……これは、いったい!?」 驚きの声を上げたのは、チェスとティアナだ。 両者共に、握っていたはずの剣とナイフを明後日の方向に引っ張られている。 物理的干渉が働いたわけではない。見えない力によって、吸引されているような感じだった。 あまりの強力さにチェスとティアナは抗いきれず、両者同タイミングで凶器を手放した。 アゾット剣とスペツナズナイフが飛んでいく先は、先ほどの光り輝くデッキブラシである。 木製であるはずのデッキブラシが鉄製の剣とナイフをくっつける姿は、まるで磁石のようだった。 いや、磁石の『よう』ではなく、本当に磁石なのだ。 ミリアが唱えた、『第三の術 ジケルド』。 光球が命中したものを強力な磁石に変えてしまう術である。 術の効果に誰もが唖然とする中、術を放った本人は、チャンスとばかりにティアナ目掛けて走り出した。 「ヌゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」 脇目も振らず、ものすごい形相で駆け抜ける。その姿は、走っているとも言いがたいほどだった。 大きく見開いた目は焦点が定まらず、視覚情報すらも除外して、脚を前に進めることだけに集中している。 なぜ一直線にティアナの下に行けるのかが不思議なくらい。 その姿が猛接近してくるのに驚いて、ティアナは唖然としたまま、 「あぶっ!?」 突進してきたガッシュの頭突きを受ける。 ティアナがおでこを押さえながら悶絶する間、ガッシュは今度はチェスのほうへ振り向き、また走り出した。 「ヌア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」 絶叫しながら迫るガッシュに、チェスは思わず、ひっ……と声を漏らした。 思わず逃げ出しそうになるが、思った頃にはもう遅く、ガッシュの頭突きがお見舞いされる。 「いだぁっ!?」 ティアナと同じく、おでこを押さえて悶絶する。 このガッシュの一連の奇行に、ミリアとジェットはさらに唖然。 もはや声も出ず、ただ視線だけでガッシュに追っている。 まだ誰も気づけていない。 この時点で、誰かが誰かがを傷つける心配がなくなっていたことを。 「おぬしたち! よおおおぉぉぉぉぉおおおく聞けぇぇぇぇぇ!!」 全観衆が注目する中で、ガッシュが声高らかに叫ぶ。 「私は……やさしい王様になる!」 既知していた者、そうでない者含め、改めて宣言する。 「ここでもそれは変わらん! 皆を悲しませる螺旋王を倒し、私が代わりに王様となる!」 そんな荒唐無稽な目標を、堂々と、毅然とした態度で語る。 「清麿! フォルゴレ! アレンビー! キール! 勇! 高遠! ティアナ! チェス! ミリア! ジェット! いずれも私の心に残る、大切な者たちだ! その大切な者たちが、どうしていがみ合ったり殺し合ったりできようか!? 私は許さん! 誰が誰を傷つけることもだ! やさしい王様を目指す者として、このガッシュ・ベルが誰も死なせはせん!!」 ガッシュの大きな瞳に灯るのは、雷光にも似た輝き。 王族に生まれた彼だからこそのカリスマ性の発揮は、この地ではこう呼ばれることだろう。 【ガッシュ・ベル@金色のガッシュベル!! 螺旋力覚醒】 ◇ ◇ ◇ ――ふむ。 それもまた、大いにあり、と言ったところか。 ◇ ◇ ◇ 「――許す?」 ガッシュの宣誓が響き渡った後、誰もが次のアクションを起こせず、ティアナだけがそう呟いた。 「許すって、言うの? だって、だって私、殺しちゃったのよ? あなたと一緒にいた、剣持さんを」 ペタン、とへたり込んでしまったティアナの顔は、依然泣き顔だ。 ガッシュの言葉がどう届いたのかはわからないが、彼女はまだ自分が許されたとは思っていない。 それだけ、蓄積されていた罪悪感は大きかった。封を施されていたことで、放出する際の勢いも相当だった。 今の彼女の心はめちゃめちゃだ。親友の死に、罪の意識、許すという言葉、混乱。 どうしていいのかわからない、迷える子羊と化しているのだろう。 なら。 「ウヌ。それも許す。勇とて――ヌ?」 ティアナの問いかけに答えようとしたガッシュの前方を、先んじる。 ここは譲れない。ガッシュも譲ってくれる気らしい。ありがとう。 「来ないで……」 ティアナの周囲に、極小の魔力スフィアが浮かべられる。 ナイフを奪い取ったとはいえ、彼女の本領はこれだ。まだ自殺も殺人も決行可能である。 だけど、恐れない。自分が恐れれば、ティアナも恐れてしまうから。 「あぶない!」 遠くで自分の身を心配してくれるチェスに、笑顔だけで応える。 ここはこうするべきだと、やっぱり思うから。 ――『彼』なら、絶対にこうすると思うから。 ――『私』も、こうしたいの。 「あ」 ティアナの眼前に立った。 魔力スフィアは消えない。けれど、どんどん小さくなって……消滅した。 ティアナの顔からも、怯えが消えていく。 そうだよ。 こうやって笑顔で接すれば、みんな笑ってくれるんだよ! そうだよね…………ね、アイザック! 「――ソーソーや義経だって、何人も何万人も何億人も何兆人も殺してるんだよ?」 彼の言葉を借りて、喋り出す。 「それでも周りのみんながいい奴だって言えば、いい奴になるんだよ。つまり……その場のノリだね!」 ――ノリだなミリア! ここにはいないはずの彼が、すぐ側で支えてくれているような、そうでないような。 とにかく心強い気がする。だから頑張れる。 「だからねティアナ。私たちがティアナをいい奴だって言ってるんだから、その波に乗り遅れちゃ駄目だよ。 胸を張って、最後に自分自身を信じるの! でもねでもね、その波を起こすにはね、 周りの人が一人でも『いい人だ』って思うことが必要なの! だからね、ティアナはいい人なの! 私たちが知ってるの! だからねだからね、私たちが波を起こしてあげるの!」 ティアナの泣き顔を、屈託のない笑顔で逆に鷲掴みにする。 ぐわしっ、と互いに抱き合えば、それでみんな笑顔になれる。 アイザックとの関係が、そんな感じだった。 「だからね、だからね」 ミリアは力強く頷き、ティアナの頬を優しく撫でてやった。 「だから、もう笑ってもいいんだよ!」 ――いつだって、アイザックとミリアの二人は周囲に幸福を撒き散らしてきた。 錬金術師の数百年越しの因縁だとか、大陸横断鉄道を舞台にした列車強盗だとか、富豪の遺産相続問題だとか、全部関係なしに。 だからきっと、ここでもそうなるようにできている。 ――当の本人たちは、そんなことを自覚してはいないのだろうが。 「ごめ……さい…………ごめ……ごめ…………ごめんなさいいいいいいいい」 微笑むミリアの胸元で、ティアナは今度こそ本当に、嬉しさのあまり泣き崩れた。 ◇ ◇ ◇ そうして、希望の船は廻る―― ◇ ◇ ◇ 全ての幕が下りた後、そこに死者はもちろんのこと、悲しみを訴える者は一人としていなかった。 事件を解決へと導いたジェットとチェス、荒立つはずだった事態を安全に終息させたガッシュとミリア。 おそらくは誰が欠けても成しえなかった結果が、こうして目の前に広がっている。 ……勝敗にこだわるならば、今回の一件は過去類を見ないほどの完全敗北であると言える。 辛うじて命は拾ったものの、こちらの目的たる犯罪の成立は不可能となり、どころか、今後の方針もぶち壊しにされた。 なのに、不思議と清々しいのはなぜだろう。 金田一というライバルが潰え、闘志が鎮火してしまったのだろうか。 それとも、『不死者』などという存在が許されている事実に、嫌気がさしたせいだろうか。 高遠遙一は思い出す。甲板に上るまで道中で、チェスが語った不死者にまつわる情報を。 殺しても死なずに血肉が再生し、歳も取らないという不死者なる存在。 その該当者たるチェスは、第二放送前に同じく不死者であったアイザックを『喰った』らしい。 不死者が不死者を殺せる唯一の方法と、アイザック消失事件のからくりが、まとめて判明する。 そして同時に、チェスと十中八九本人も知らなかったであろう事実として、ミリアも不死者であるということも。 これらの情報を得て、高遠は全てを納得したのだ。 アイザック死亡の真相、チェスの正体、ミリアが生き返った訳、全て不死者のルールで説明ができる。 (まったく馬鹿げた話だ……『殺し合いなのに死なない人間が紛れている』などとは。 螺旋王も一般人たる私に無理難題を押し付けるものだ……もう少し、面子のバランスに気を使って欲しかったところです) 本人すら自覚していなかった異能を、高遠が予測できはずもなく、ミリアの殺害失敗は完全な不幸と呼べた。 チェスの正体に気づけなかったのも同様。 不死者などという殺し合いのルールを根底から覆す者が存在するはずないと、常識で考えてしまったのがそもそもの失敗。 が、これも不幸の範疇であると言える。なにせ高遠は不死者など知らぬ一般人。常識で考えるのが普通なのだ。 唯一弁解できない落ち度があったとするならば、探偵役候補として考えていたチェスが、暴力で訴えてくる可能性を考慮しなかったことだろう。 素性が怪しくとも所詮は子供、とどこかで見くびっていたのかもしれない。その点については、ジェットにも言えることか。 「ジェット刑事……一つお尋ねしたいのですが」 「なんだ?」 「なぜ、ティアナ君の背後に私がいると気づけたのですか?」 「そうだな……理由は二つある」 「一つ目は?」 「あんたは犯罪者として優秀すぎた」 「ふむ……では、もう二つ目は?」 「俺の異名を知らなかった」 「異名、それは?」 「喰らいついたら離さない、『ブラック・ドッグ』だ」 「フフッ……そのようなおっかない異名を隠していたとは」 「笑うな。別に隠してたわけじゃないぞ」 「いや失敬。では、もう一つだけよろしいでしょうか?」 「怪我人だってのによく喋るな。で、なんだ?」 「……そのような血塗れの説得ではなく、ティアナ君を殺すという選択肢もあったはずです。 刑事を辞め、賞金稼ぎとして暮らしているあなたが、なぜ自己防衛の手段として最適なほうを選ばなかったのですか?」 「アホか。元刑事なのは関係ない。賞金稼ぎだからこそだ。あー……こりゃ相棒の口癖みたいなものだがな。 『殺しはしない。賞金がパーになる』……ま、言ってみりゃ貧乏性なわけだ。他人の命を金に換算するくらいにはな」 「くっ、くくくくく……」 「だから、笑うな」 甲板中央、並んだ状態でそれぞれ怪我の治療を受ける高遠とジェットの会話。 そこから導き出された解答を元に、高遠は改めて思う。 (どうやら私は平和ボケしていたようです。暴力の介入と、金田一君以上の知恵者の登場は『まだ』ありえないと、そんな先入観を愚かにも抱いていたわけですか) 気づくのが遅すぎたが、結果自分はまだ生き残っているわけだから、運がいいほうだろうか。 それに、高遠がこの会場で糸を括りつけた唯一の人形も、まだ失ってはいない。 「高遠さん、他に痛いところはありませんか?」 「ええ、だいぶ楽になりましたよ。ありがとう、ティアナ君」 礼を言う先……仰向けになっている高遠の真上には、真っ赤な顔をしたティアナの姿がある。 ティアナは一人(ミリアたちも手伝ったが)、船内に置かれていた救命用具を用い、高遠とジェットの応急処置を施した。 今の状況は、その副産物。看護し足りないらしいティアナが自ら申し出た、『膝枕』は―― 「そんな……わ、私はただ、高遠さんに元気になってもらいたくて……」 「うっ……しかし、やはり刺された場所は痛みますね。生かしておくつもりなら、もっと優しくしてくれてもいいものを」 じとっ、とティアナが横にいるチェスを睨む。 チェスも反射的に睨み返すが、ジェットの隣で包帯を巻いているミリアと、それを手伝うガッシュにまで睨まれ、萎縮する。 さっきまで生きるか死ぬかの言い争いをしていた連中が、この団欒ぶりである。高遠は笑いを我慢するので大変だった。 意外だったのは、ティアナがまだ高遠のことを慕っていたこと。 殺人教唆という真の狙いは露見してしまったが、それでも彼女にとって高遠は恩人である。 海から救ってくれたこと、その後ぐちゃぐちゃに乱れていた心をやや乱暴なやり方でケアしてくれたこと、 そしてもしかしたら、女性としては忘れることのできない例のアレも……感情の中で蟠っているのかもしれない。 ティアナが自分に惚れている、とまで自惚れるつもりはないが、この分なら……再び傀儡として使うのも不可能ではない。 とはいえ、今の彼女は人形ではなく、感情を取り戻した立派な人間だ。お願い程度の頼みならともかく、殺人の類は絶対に拒否するだろう。 その点を踏まえても、高遠はこれから先をどうするか、決めかねていた。 ガッシュの言葉を信じ、彼の目標に協力の姿勢を見せるか。 原点に立ち戻り、犯罪芸術家・高遠遙一として再出発を切るか。 大きく分けて二択、さてどうするかというところまで考えて、ガッシュが言葉を切る。 「ウヌ……皆の者、仲良くなっていることはとても喜ばしいことではあるのだが……」 なにやら深刻な表情で、正座の姿勢を取るガッシュ。 「今は仲良く談笑している場合ではないのではなかろうか?」 と指摘して、周りの人間全員が、あっ、と口を漏らした。 ――いや、決して忘れていたわけではない。もちろん覚えていた。 先のことよりも今、解決しなければならない重大な問題がある。 その問題とは……甲板上の大火災をどう乗り切るか! 現在、高遠らの六人の所在は、豪華客船甲板の中央部にある。 そしてその周囲には、ジェットが保険として放った火が、今もなお轟然と燃えている。 つまり高遠たちは今、火の海の真ん中に身を置いている状態なのだ。 「ジェ、ジェットおじさんが余計なことするから!」 「む……下は海なんだ。いざとなったら飛び込めばいいだろうが」 「馬鹿なことを言わないで。怪我人が二人もいるのよ。っていうかあなたがその怪我人じゃない」 「この怪我を負わせたのはおまえさんじゃねーか」 「あら、一度は許すって言ったのに、昔のことをネチネチ言うの?」 「ウヌウ、ジェットもティアナも喧嘩はやめるのだ」 「あー! そう言えばヨーイチ、さっきの告白のことなんだけどね」 「こ、告白!? なんですかミリアさん、告白って!?」 「ミリアさん、それは……」 「あのね、さっきヨーイチが私に愛してるって情熱的に……」 「……高遠サン? アイシテルッテ、ダレガ、ダレヲデスカ?」 「な、なぜ片言で喋るのですかティアナ君」 「ウヌウ……おぬしら、もっと危機感を持つべきではないのか……? 私が変なのか……?」 火災現場に取り残されるという状況で、無為に慌てふためいても仕方がない。 その点を思えば、六人各々のマイペースぶりは、決して悪い傾向ではなかった。 ジェットの言うとおり、周囲が海である以上、このまま船と臨終する心配はないだろう。 夜になったことで水温は低下しているし、重傷人の高遠とジェットに水泳は難行だが、岸もすぐ近くなので問題はない。 とはいえ、もし船の動力部にまで火が渡りでもしようものなら、最悪船ごと大爆発という可能性がある。 そういった事態を想定するならば、いつまでも談笑しているわけにはいかないだろう。 (さて、先のことを考えるよりもまず、今はこの窮地を脱する策を練るとしますか) 高遠は一人、ティアナの膝の上で思案にふけた。 が、それも一瞬で終わる。 火災、海上、船上、六人、不死者、元刑事、魔物、魔法使い、そして―― これらの状況を鑑みて、高遠は考えるまでもなく、最善の手段を導き出した。 全ては、この使い物にならなくなった希望の船から脱出してからにしよう。 (みなさんに披露しましょう。『地獄の傀儡師』ではなく、『奇術師』高遠遙一としての、世紀の大脱出マジックを) ◇ ◇ ◇ 結局、この地に探偵は現れなかった。 ◇ ◇ ◇ あのときのガッシュの顔は怖かったな、とチェスは今さらながらに思い、身震いする。 血塗れのジェットは、その巨体に違わずタフガイだ。若干貧血気味のようだが。 高遠とティアナは……まぁ、心配はいらないだろう。少なくとも、今すぐ行動を起こすようなことはない。 高遠はあれできっちりと敗北を認めているようだし、ティアナも殺人人形には戻らないはずだ。 (まったく、一時はどうなるかと思ったが……いや、これもある意味当然の結果か) チェスは嘆息し、この事件における『チェスワフ・メイエル』の行動に関して思い起こす。 ミリアを守るため、引いては彼女を失うことによる後悔を打ち払うため……チェスは、一時的にかつての自分を取り戻した。 そうしなければ、高遠には勝てなかったからだ。純情なチェスくんのままでは、高遠を完全に疑い切ることはできなかった。 とはいえ、あの場面で不死者という利点を活かし、暴力に訴えたのは、チェスくんとしてはありえない奇行だ。 ゆえに、もう終わりだと思った。チェスくんとして振る舞い、ミリアの隣に立つことは、これを機に不可能になると、本気で怯えた。 しかしそんな不安をチェスに代わって追い払ってくれたのは、ガッシュと、他ならぬミリア本人である。 「船上で炎のように燃え上がる恋だね! ファイヤーパーティーだね!」 このような窮地に身を置かれても、ミリアはその人間性を崩さない。 炎の側まで近づき、メラメラと燃える情景を楽しむかのように、一人踊り出す。 彼女のパートナーを喰ったせいだろうか。なんだかチェス自身も踊り出したくなってきた。 (アイザックさんの意思かな……ボクは、この笑顔をどうしようもなく守りたいと思える) チェスを含めた五人の視線が、無邪気なミリアの姿を追いかける。 まったくのんきなもんだ、とジェット。 ウヌウ……これでよいのか? とガッシュ。 まぁいいではありませんか、と高遠。 ヨクアリマセン説明シテクダサイ、とティアナ。 ミリアが結んだ、六つの輪。 綻ぶことなど永遠にないと、そう思えた。 (いつか……またいつか、アイザックさんとミリアさんの二人と並んで、ボクも踊れる日が来るのだろうか?」 切実に、願う。 そのときだった。 ミリアのすぐ側、濛々と燃える火炎の中から、一人の影が飛び出した。 全身に黒のイメージを纏わせる謎の男は、手に一振りに剣を握っていた。 火炎の中から飛び出した瞬間、その剣を振った。 剣の振るわれた先には、ミリアがいた。 刃はミリアの首筋を狙い、スパン、と頭と胴体を分断する。 鞠のように舞い上がったミリアの頭部を、皆が凝視する。 もちろん、チェスの視線の矛先もそちらにあった。 ミリアの首が落ち、転がり、チェスの足元までやって来る。 覗いてみると、その表情は笑顔だった。 え、 ◇ ◇ ◇ 「ぬぅおおおおおおおおおおおおおおお!!」 気合一声、己で己に渇を飛ばし、豪華客船の船体側面をがむしゃらによじ登る。 掴むところもろくにない壁を、赤と緑が混じった神の指で、穴を開けん勢いでただひたすらに。 「早く……早く行かないとヤバイって!」 奴は――あの銀髪に黒装束の殺し屋は、まず間違いなく甲板に向かった。 きっかけを思い出す。マオとの戦いにおける乱入、その後の戦闘、そこで奴は一旦逃げた。 そして仲間と合流するべく船に駆けつけ、どうやら甲板が燃えているらしいということに気づいた矢先。 埠頭で、再び奴と鉢合わせた。 発見したのはこちらが先で、奴はなにかを待っている様子だった。 勘を頼りに推測するなら……おそらく、待ち伏せをしていたのだ。 乗客が火災から逃れるために船から降りてくるのを、闇討ちしようとしていたのだろう。 そんなことはさせない。あそこに仲間がいる。そう思い立ち、こちら側から仕掛けた。 だが奴もこちらの存在には気づいていたようで、その場は軽くあしらわれた。 そして奴が向かった先は、豪華客船火災現場。 なぜ船内ではなく甲板を目指したのか、それはわからない。 ただ、とてつもなく嫌な予感がするのだ。 いてもたってもいられず、奴を追った。 そして同じく甲板に到達したが……僅かに遅かった。 「……うそ、でしょ」 呆然と佇むガッシュ、チェス、ジェット、高遠、そして見知らぬ女の子の五人。 彼らの視線を仰ぐ『奴』。 転がるミリアの胴体と、首。 「そんな……」 遅かった、もう少し速くここに来れれば、奴の危険性をみんなに知らせられれば、結果は違ったはずだ。 速さが足りない。速さが足りていれば――ミリア・ハーヴェントは死ななかったはずだ。 火の熱さなど感じない。 後悔だけが、アレンビーの身を焼いた。 ◇ ◇ ◇ (切れ味は……悪くない) 鮮血の滴る刀身を見て、殺し屋は思う。 頚椎を一刀で切断できるなら、得物とするには十分だ。 そして、肝心の獲物はというと、 (数は五、いや、奴も加わり六か) レーダーどおりの数。 多い。 が、その内二人は餓鬼、一人は女、二人は死に損ない、厄介なのは奴だけか。 ちょうどいい。あのときの借りをまとめて返す。 奴の仲間諸共、刃の錆にする。 船上、いつでも退却が可能な環境。 火中、獲物は逆に逃げにくい狩場。 獲物、奴以外は雑魚と変わりない。 それらを考慮し導き出す答え――好機。 「――皆殺しだ」 ビシャスは深紅の刃を煌かせて、呟いた。 ◇ ◇ ◇ 【E-3/豪華客船・甲板/1日目/夜】 【ティアナ・ランスター@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 [状態]:全身打撲、肋骨にひび、首に切り傷、体力消耗(中)、精神力消耗(中)、髪を下ろした状態、呆然 [装備]:メイド服、スペツナズナイフ@現実x2 [道具]:なし [思考] 基本思考:人殺しはもうしたくない。 1:目の前の男に対処。 2:高遠を守ってあげたい。 [備考] ※キャロ殺害の真犯人は自分であると思っています。 ※銃器に対するトラウマはまだ若干残っています、無理に銃を撃とうとすると眩暈・吐き気・偏頭痛が襲います。 ※高遠を好意的に慕っており、騙されたことへの恨みはほとんどありません。 【ジェット・ブラック@カウボーイビバップ】 [状態]:重傷(特に頭部に致命傷、応急処置済み)、出血による貧血、空腹、呆然 [装備]:コルトガバメント(残弾:6/7発) [道具]:デイバック×4、支給品一式×3(ランダムアイテム0~1つ 本人確認済み) 巨大ハサミを分解した片方の刃@王ドロボウJING、ドミノのバック×2@カウボーイビバップ テッカマンブレードのクリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード アンチ・シズマ管@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-、 賢者の石@鋼の錬金術師 カウボーイ風の服とハット、アイザックのパンツ、アイザックの掘り当てたガラクタ(未識別)×1~6 安全メット、スコップ、ガッシュの魔本@金色のガッシュベル!!、スペツナズナイフ@現実x2、剣持のライター [思考] 基本:情報を集め、この場から脱出する 1:目の前の男に対処。 2:チェスに後で詳しい話を聞く。 3:情報を集めるために各施設を訪問する。(とりあえず次は豪華客船。機会があればゴミ処理場も調べなおしたい) 4:謎の爆弾魔(ニコラス)を警戒。 5:仲間(スパイク)が心配。 6:明日の正午以降に博物館に戻ってくる。 [備考] ※テッカマンのことをパワードスーツだと思い込んでいます ※チェス、アレンビー、アイザック&ミリア、キールと情報交換をしました ※監視、盗聴されている可能性に気づきました しかし、それは何処にでもその可能性があると考えているだけで、首輪に盗聴器があるという考えには至っていません ※チェスの証言を嘘だと見抜いています。また、アイザックは不死者などではなく本当に死亡したと考えています。 【ガッシュ・ベル@金色のガッシュベル!!】 [状態]:おでこに少々擦り傷、肉体疲労(大)、呆然 [装備]:なし [道具]:支給品一式(食料:アンパン×5) ウォンのチョコ詰め合わせ@機動武闘伝Gガンダム、ビシャスの日本刀@カウボーイビバップ、水上オートバイ [思考] 基本:やさしい王様を目指す者として、螺旋王を王座から引きずり落とす。 1:ウヌウ……!? 2:なんとしてでも高嶺清麿と再会する。 3:ジンとドモンと金田一と明智を捜す。 [備考] ※剣持、アレンビー、キール、ミリアと情報交換済み ※螺旋力覚醒 【チェスワフ・メイエル@BACCANO バッカーノ!】 [状態]:茫然自失 [装備]:アゾット剣@Fate/stay night [道具]:デイバック、支給品一式、薬局で入手した薬品等数種類(風邪薬、睡眠薬、消毒薬、包帯等) [思考] 基本:なんらかの方法で螺旋王と接触し、アイザックを取り戻す術を得る。ミリアの命を最優先に考える。 0:え、 1:アイザックの記憶の中のチェスくんとして振舞う。 2:アレンビーたちの帰りを待つ。 3:仲間が揃ったら、螺旋王の下へ向かいアイザック奪還。 4:いざとなったら身を盾にしてでもミリアや仲間の命を守る。 [備考] ※アイザック・ディアンを「喰って」その知識や技能を得ました。 ※不死者に対する制限(致命傷を負ったら絶命する)には気付いていません。 ※チェスが目撃したのはシモンの死に泣く舞衣のみ。ウルフウッドの姿は確認していません。 ※ジェット、アイザック&ミリア、アレンビー、キールと情報交換をしました。 ※監視、盗聴されている可能性を教えられました。 ※無意識の内に急激に進化する文明の利器に惹かれつつあります。 ※螺旋王ならアイザックを元に戻せると信じ込んでいます。 ※自己犠牲の精神が生まれつつあります。 ※高遠とティアナにはまだ完全に心を許したわけではありません。 【高遠遙一@金田一少年の事件簿】 [状態]:腹部に刺傷(応急処置済み)、出血による貧血、呆然 [装備]:スペツナズナイフ@現実x1 [道具]:デイバッグ、支給品一式、アイザックの首輪、バルカン300@金色のガッシュベル!!、豪華客船のメインキーと船に関する資料 [思考] 基本行動方針:未定。 1:目の前の男に対処。 2:『奇術師』として皆を船から脱出させる。 3:脱出後、以後の方針を練り直す。 [備考] ※ガッシュから魔本、および魔物たちの戦いに関する知識を得ました ※ティアナからなのは世界の魔法、出会った人間の情報を得ました ※ジェットと情報交換しました。 ※これまで彼が実際に出会った参加者には、地獄の傀儡子の真の犯罪手段については話していません。 ※チェスから不死者に関する簡単な説明を受けました。 【アレンビー・ビアズリー@機動武闘伝Gガンダム】 [状態]:疲労(中)、中度の貧血、左肩・左腕・右腿に被弾、右脇腹に刺し傷(全て止血済み)、激しい怒り [装備]:パニッシャー@トライガン [道具]:デイバック×6、支給品一式×4、支給品一式(食料-[全国駅弁食べ歩きセット][お茶][サンドイッチセット]) ブリ@金色のガッシュベル!!(鮮度:生きてる)、ドーラの大砲@天空の城ラピュタ(大砲の弾1発) ジンの仕込みナイフ@王ドロボウJING 、リボルバー・ナックル(右手)@魔法少女リリカルなのはStrikerS(カートリッジ6/6、予備カートリッジ数12発) 東風のステッキ(残弾率60%)@カウボーイビバップ、アンディの衣装(-帽子、スカーフ)@カウボーイビバップ 血塗れの制服(可符香) マオのバイザー@コードギアス 反逆のルルーシュ 、ライダーダガー@Fate/stay night 鉄扇子@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-、注射器と各種薬剤、拡声器 [思考] 1:奴を倒す! 2:仲間を集め、螺旋王を倒す。 3:豪華客船へとゲームに乗っていない人間を集める(高遠の伝言) 4:悪いヤツは倒す!(悪くなくとも強い人ならばファイトもしてみたい……) [備考] ※チェスの証言はもうあまり信じていませんが、話は合わせるつもりです ※シュバルツ、東方不敗はすでに亡くなっている人として認識しています ※ガッシュ、キール、剣持、アイザック&ミリア、ジェットと情報交換をしました ※高遠を信用できそうな人物と認識しています ※無我夢中だったため、螺旋力に気が付いていません ※螺旋力覚醒 【ビシャス@カウボーイビバップ】 [状態]:胴体にダメージ大、疲労(中) [装備]:日出処の戦士の剣@王ドロボウJING、ジェリコ941改(残弾7/16)@カウボーイビバップ、軍用ナイフ@現実 [道具]:支給品一式、レーダー@アニロワオリジナル、マガジン(9mmパラベラム弾16/16)×1 UZI(9mmパラベラム弾・弾数0)@現実、防弾チョッキ@現実 [思考] 基本:参加者全員の皆殺し。元の世界に戻ってレッドドラゴンの頂点を目指す。 1:皆殺し。 2:武器の補充、刀剣類の獲得。 [備考] ※地図の外に出ればワープするかもしれないと考えています 【ミリア・ハーヴェント@BACCANO バッカーノ! 死亡】 ※珠洲城遥の腕章@舞-HiMEはミリアの死体が装備したままです。 ※豪華客船の甲板全域で火災が発生しています。船内への影響は不明。 ◇ ◇ ◇ 探偵不在の舞台は、事件から惨劇へと名を変える―― 時系列順で読む Back グッドナイト、スイートハーツⅢ Next 夢‐‐。涙…… 投下順で読む Back グッドナイト、スイートハーツⅢ Next 夢‐‐。涙…… 217 グッドナイト、スイートハーツⅢ ティアナ・ランスター 224 希望の船?絶望の城?(前編) 217 グッドナイト、スイートハーツⅢ ジェット・ブラック 224 希望の船?絶望の城?(前編) 217 グッドナイト、スイートハーツⅢ チェスワフ・メイエル 224 希望の船?絶望の城?(前編) 217 グッドナイト、スイートハーツⅢ ミリア・ハーヴェント 217 グッドナイト、スイートハーツⅢ 高遠遙一 224 希望の船?絶望の城?(前編) 217 グッドナイト、スイートハーツⅢ ガッシュ・ベル 224 希望の船?絶望の城?(前編) 217 グッドナイト、スイートハーツⅢ アレンビー・ビアズリー 224 希望の船?絶望の城?(前編) 191 新たなる輝き! 怒れアレンビー ビシャス 224 希望の船?絶望の城?(前編)
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太閤立志伝 太閤立志伝データ 概要 裏技 他作品との関連 データ コーエー:2009年09月01日配信 光栄:1993年04月07日発売 ジャンル:SLG プレイ人数::1人 コントローラ:GC・クラコン 使用ブロック数: 紹介ページVC紹介ページ 概要 裏技 他作品との関連
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説明なし=ゲームボーイ 【GBC】=ゲームボーイカラー 2011年06月 06月07日配信スーパーマリオランド(任天堂、400P) ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!(アークシステムワークス、400P) ファンタズム(ジャレコ、400P) ベースボール(任天堂、300P) 星のカービィ(任天堂、400P) ロックマンワールド(カプコン、400P) 06月08日配信ゼルダの伝説 夢をみる島DX(任天堂、600P)【GBC】 06月15日配信怒りの要塞(ジャレコ、400P) クイックス(任天堂、400P) ドンキーコング(任天堂、300P) 06月22日配信ゲームボーイギャラリー(任天堂、400P) ダブルドラゴン(アークシステムワークス、400P) 06月29日配信ゴルフ(任天堂、300P) レッドアリーマー MAKAIMURA GAIDEN(カプコン、400P) パックマン(バンダイナムコゲームス、300P) 2011年07月 07月07日配信パックマン(バンダイナムコゲームス、300P) 07月13日配信高橋名人の冒険島II(ハドソン、400P) 07月20日配信テニス(任天堂、300P) 07月27日配信PITMAN(アスク、400P) ドクターマリオ(任天堂、400P) 2011年08月 08月03日配信熱血高校ドッジボール部~強敵!闘球戦士の巻~(アークシステムワークス、400P) アレイウェイ(任天堂、300P) 08月10日配信トレード&バトル カードヒーロー(任天堂、600P)【GBC】 08月24日配信ヘラクレスの栄光 動き出した神々(パオン、400P) 08月31日配信ZOIDS ゾイド伝説(タカラトミー、400P) 2011年09月 2011年10月 2011年11月 2011年12月
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ソニック テイルス2 ソニック テイルス2データ 概要 ゲーム内容 他作品との関連 データ セガ:2012年03月14日配信 セガ:1994年11月11日 ジャンル:ACT プレイ人数 1人 使用ブロック数:50 攻略ページhttp 紹介ページhttp //vc.sega.jp/3ds/sandt2/index.html 概要 ゲームギア版ソニックシリーズの5作目にあたる ソニックシリーズは1作品ごと(一部例外あり)に新キャラを出すというのがあり これも例外なく新キャラのとびねずみのファングザスナイパーというキャラ初登場した ゲーム内容 全てのカオスエメラルドを必ず集めてください ひとつでもそろえることができないと くりあしてもTHE ENDと表示されるだけでエンディングを観ることができません! 他作品との関連 VCで配信されているソフト VCでの配信が期待されるソフト 関連するアーケード作品
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「グッドラック ライラック」は、『アニメガタリズ』の関連楽曲。歌唱はGATALISメンバー1。 基本情報 配信初出日 2017年11月22日 CD初出日 2017年11月22日 アーティスト GATALISメンバー1 発売元 SACRA MUSIC Lyrics 只野菜摘 Music 田中秀和 (MONACA) Arrangement Bass 千ヶ崎学 Drums 山内優 Guitar 堀崎翔 Keyboard sugerbeans Programming 田中秀和 (MONACA) All other instruments Producer 内海洋 (DMM.futureworks) Assistant Producer 後藤阿梨紗 (DMM.futureworks)大峠麗蘭 (DMM.futureworks) Recording Engineer 淺野浩伸 (redefine)奥田基樹 (redefine)菅原恭史 (フリーマーケット) Mixing Engineer 淺野浩伸 (redefine) Recording Studio Studio Sound ValleyStudio A-tone 西麻布Splash Sound Studio Mixing Studio Splash Sound Studio Mastering Engineer 中村優太 (Sony Music Studios Tokyo) Mastering Studio Sony Music Studios Tokyo ※初出CD準拠 収録CD 発売日 商品名 DiscNo. TrackNo. 楽曲名 歌唱 2017年11月22日 『グッドラック ライラック』通常盤:VVCL-1128 - 1 「グッドラック ライラック」 GATALISメンバー1 3 「グッドラック ライラック -阿佐ヶ谷みのあ ver.-」 阿佐ヶ谷みのあ演1 7 「グッドラック ライラック -TV ver.-」 GATALISメンバー1 8 「グッドラック ライラック -Instrumental-」 - タイアップ テレビアニメ『アニメガタリズ』ED主題歌 動画 脚注 キャスト 演1:本渡楓 メンバー メンバー1:阿佐ヶ谷みのあ(本渡楓)、上井草アリス(千本木彩花)、高円寺みこ(東城日沙子)
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ファイナルファンタジーUSA ミスティッククエスト ファイナルファンタジーUSA ミスティッククエストデータ 概要 他作品との関連 データ スクウェア・エニックス:2010年12月21日配信 スクウェア:1993年09月10日発売 ジャンル:RPG プレイ人数:1人 コントローラ:GC・クラコン 使用ブロック数:19 紹介ページVC紹介ページ 概要 他作品との関連 VCで配信されているソフト ファイナルファンタジー(FC) ファイナルファンタジーⅡ(FC) ファイナルファンタジーⅢ(FC) ファイナルファンタジーⅣ(SFC) ファイナルファンタジーⅤ(SFC) ファイナルファンタジーⅥ(SFC) VCで配信が期待されるソフトファイナルファンタジー(MSX版)(MSX) ファイナルファンタジーI・II(FC) ファイナルファンタジーIV イージータイプ(SFC) 任天堂ハードで現在入手可能なお勧めソフトファイナルファンタジーIII(NintendoDS版)(DS) ファイナルファンタジーIV(NintendoDS版)(DS) ファイナルファンタジーIV THE AFTER YEARS 月の帰還(wii:wiiware) ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング(DS)
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グッドナイト、スイートハーツⅠ ◆LXe12sNRSs 夜が来る。 とてもとても長い夜が。 私はこの夜を乗り越えなければならない。 夜を乗り越えて、その先にある明日へ到達しなければならない。 だから私は戦う。戦わなきゃいけないから。戦って掴まなくちゃダメだから。 私を支えてくれる、支えてくれた、これからも支えて欲しい、あなたのためにも―― ◇ ◇ ◇ すっかり日も落ちた、夕刻の船上。 五時を経過した空は、茜色の情景を星々の輝きへ譲ろうとしている。 日本の季節で言うならば、この移り変わり方は冬のそれだろうか。 夜明けは遅く、日没は早い、夜が幅を利かせる季節。 この街、あるいは国、あるいは惑星に、四季の概念はあるのか否か。 『敵』と相対しながら、ジェット・ブラックはそんな瑣末なことを考えていた。 「おいおい。そいつはいったい、なんの冗談だ?」 対峙する敵、ヴィクトリア朝式メイド服を纏うティアナ・ランスターは、殺意を込めてジェットに言う。 「世間一般で言うところの魔法――あなたを殺すためにできる、私の精一杯」 ティアナの周囲に浮遊する、蛍火にも似た光の球体。 魔力スフィアと呼ばれる破壊の光球は、ナイフの殺傷能力など遥かに凌駕する。 ふよふよと浮かぶその数は3。現在のティアナが、デバイスなしで同時に行使できる、限界の数だ。 たった3発と軽視することもできれば、攻撃に全開で臨んでいるとも解釈できる。 しかしティアナの言う『魔法』に関してなんの知識も持たないジェットは、その数が意味するものも、威力すらもわからない。 未知なる『兵器らしいモノ』に対し、ジェットは想像を巡らせ導き出した、不安極まりない対応策を強いられる。 「で、そいつはいま俺が向けてるコレより高威力なのか? 弾速は? 絶対に先手が取れる自信でもあるのか?」 対峙する二人、ティアナは周りに『魔法』を浮かばせているだけだが、ジェットは『銃』という明確な殺傷兵器を向けている。 銃弾の射出スピードというのは、剣の達人が放つ刺突よりも、獣が獲物に飛び掛るよりも、ずっと速い。 互いが武器を向け合っているという状態、決め手となるのは先手を取るに必要な速度である。 魔法を知らぬ者から見れば、優勢はジェットに傾いていると言えよう。 「クロスファイア、シュート」 「ッ!?」 だが結果として、ティアナの有する三つの光球は、ジェットの握る銃よりも速く放たれた。 決め手となったのは、射出の条件である。 引き金を絞るという物理的行為が必須な銃とは違い、魔法の発動は外面的動作を必要としない。 魔力を集中させ、念じ、あるいは唱え、意のままに操る。全て四肢を動かさずに実行できる。 ジェットがティアナの攻めのタイミングを見誤ったのも、無知ゆえの結果だった。 が、攻めの後の対処に、魔法に関する知識は必要としない。 銃弾のそれと遜色ないスピードで迫る光球を、ジェットは横に転がって回避する。 ティアナの魔法が射撃に分類されるのであれば、対処の仕方など回避か防御の二択だけだ。 鉛が当たる音よりも重く、三つの光球が甲板を叩く。そのすぐ横に移動したジェットが、 「クロス」 体勢を立て直しつつ、魔法の威力とやらを見極め、 「ファイア」 立ち上がり、ティアナの次なるアクションを見るため、 「…………」 視線を向けた先では、速くも二射目のための装填作業が始まっていた。 (連発も可能ってわけかよ!) 「……シュート」 再び作り出された魔力スフィアは三つ。光球の使い道と威力を思い知ったジェットは、やはり回避に徹する。 弾数は三。一斉射撃可。軌道は融通が利き、非直線的。速度はやや遅く、威力は十分。 魔法の性質を図り、ジェットは冷静に弾道を見極めながら回避するが、さすがに三連続で来られると動作が追いつかない。 一発目を避け、二発目を避けると同時に体勢が崩れ、三発目で被弾してしまった。 「ぐっ……!」 左腕に得体の知れぬ熱と衝撃を受けて、ジェットは大きく弾き飛ばされた。 左腕は義腕であるため直接的な痛みは薄い。が、肩口から伝わる振動だけで、脳と内臓が悲鳴を上げる。 甲板を滑るジェット。衝撃がやんだ頃、左腕の損傷度を確認する意味も含め、左腕一本で体を跳ね上げる。 動きはする。パワーも十分だ。だが状況は一向に厳しい。 三射目。ティアナは新たな光球を形成させようと、ジェットに虚ろな視線を投げかけていた。 ティアナの魔法は、ジェットからしてみれば『弾切れの心配がないうえ、財布に優しい銃弾』みたいなものだ。 ワルサーに金がかからないってんならチンジャオロースに肉が入れられるじゃねえか、と心中で羨む。 長年の貧乏生活で培ってきた余裕が不要なところで発揮されていることには気づかず、今度は甲板端の物陰に身を隠す。 清掃用のデッキブラシや乗船客のためのパラソルなどに被せられていたシートが、魔法の余波を受けて舞い上がった。 「逃げたり隠れたりしても無駄よ。安心して、優しく、殺してあげるから」 「『高尚なる男性は女性の忠告によっていっそう高尚になる』とはよく言ったもんだがな、俺はそんな忠告を聞けるほど高尚でもない」 ジェットは破損したデッキブラシのブラシ部分を投げつけてみるが、ティアナはこれを冷静に回避。 初撃はナイフで来たことを鑑みても、体術が不得手というわけではないらしい。 遠距離戦しか能がないならいっそ突攻して……とも考えたが、なかなか上手くはいかなそうだ。 (さぁて、あんな訳のわからんものをぶちかましてくる女、どうやり込めろってのか……) 今度は船橋の壁際に潜み、ジェットはそっとティアナを覗く。 ゆったりと、しかし確かな歩調で寄って来る少女の背後には、どこか異質な殺意の波動が感じられた。 I.S.S.P.、そして賞金稼ぎへと流転したジェットは、これまでにも様々な殺意の保有者と相対してきた。 殺意の発生源など、だいたいは私利私欲、あるいは憎しみがほとんどである。 また人を殺すという行為が僅かでも罪であると認識しているならば、人間はそこに恐れを抱く。 犯罪者などはその恐れを突き、殺意の発生源となる感情を叩き折れば、軽く捻じ伏せられる。 だが、ティアナからはそれが窺えない。殺意を抱くことに対する恐れも、殺意を向ける目的すらも。 培ってきた観察眼が、ティアナは極稀に見るイレギュラーケースであると訴えた。 恐れといった感情を抱かず、目的も持たず殺意を宿す、犯罪者の中でも希少種と言える存在。 まるで人間ではないような、言うなれば誰かに操られた殺人マシーン……いや、ティアナの背後に隠れる人物の顔を思い出すならば。 (あの女は操り人形……そんでもってあの男は、趣味は悪いが凄腕の人形師ってところか) この船に訪れてから知り合った得体の知れぬ二人組、ティアナと高遠の関連性を疑えば、答えは一発だった。 ティアナはジェットに殺意を抱くだけの理由がある。厳密には『あった』。 キャロという少女をジェットがバラバラにしたと誤解してい『た』彼女ならば、記憶を失った振りをしつつ、狐の皮を被ってジェットに復讐を果たそうとしても不思議ではない。 しかし全ては過去形であり、今のティアナからはかつて抱いていたはずのジェットに対する憎悪、殺意の発生源となる感情が微塵も感じられなかった。 この時点で、ティアナの殺意の正体が恨みや怒りでないことは明白だ。 ならなぜジェットに襲い掛かるのか。そこを考えれば、彼女と繋がりを持つ高遠が出てくるのは自明の理。 ティアナとの別れ際を思い出しても、あの時点で彼女の精神が平常を保てていたとは考えがたい。 高遠はおそらく、そんなときにティアナと遭遇したのだろう。 ジェットへの憎悪、キャロへの悲しみを抱いたままの状態で、高遠はティアナの精神をケアするのではなく、さらに壊した。 その結果が、現在のティアナの状態……感情を失ったまま殺意を抱けるという、人間ではありえない人形の姿だ。 高遠は自分が犯罪者であると告白していたが、よくよく考えてみればおかしな話でもある。 刑事や探偵と面識を持ち、非常時だからと敵かもしれない他人を通じて休戦を申し込む。 そのうえ実際に刑事であったジェットに相対しても、あの冷静な態度。 ありえないのだ。高遠が本当に犯罪者だとするならば、異常すぎる。 いくら非常時とはいえ、天敵である法の番人に休戦を申し込んで受け入れられるなど、どこの犯罪者が思うだろうか。 たとえ休戦案を思いついたとしても、まず実行に移せはしない。尻込みし、もっと確実な方法があるのではないか、と考える。 天敵を前にしての立ち振る舞い、殺し合いという非常時に直面しての立ち振る舞い、現在の状況…… 諸々を考慮して、ジェットは高遠遙一を多くの『罪の意識を持った犯罪者』ではないと踏んだ。 ならば高遠遙一はいったい何者なのか? と考えたところで、行き着く答えはやはり犯罪者だ。 ただし前述のとおり、高遠は世間一般の犯罪者の枠を外れた存在であると推測できる。 多くの犯罪者は自分の行いを罪と認識し、それが罰せられることに恐れを抱くが、高遠にはそれがない。 彼が犯罪者として掲げている看板は、おそらく背徳の意識ではなく情熱や野望といった種のものだろう。 つまり、怒りや憎しみといった感情から犯罪に及ぶのではなく、犯罪自体に意味を見い出そうとしている者。 刑事を天敵ではなく宿敵かなにかと認識し、このような非常時においても、敵として君臨する覚悟を決めた者。 犯罪者ではなく、犯罪中毒者、犯罪マニア、犯罪馬鹿などと呼んだほうがしっくり来るような人間に違いない。 そしてジェットは知っていた。そういう手合いは、感情で動く犯罪者よりもよっぽど厄介だと。 (なにせ、それだけ『やり手』ってことだ。それ相応の自信と自覚があるから、覚悟が決められる。 奴は追われるタイプじゃなく、立ち向かうタイプの犯罪者……ってことはだ) 今さらながらに再確認する。 俺たちはハメられた。高遠遙一の企てる崇高な犯罪計画によって。 (なんてこった……とんだキレ者だぜ、あのタレ目野郎。が、俺もこのまま哀れな被害者役に納まるつもりはない) おそらく高遠が敵として見ているのは、本来彼と敵対するはずだった金田一一と明智健悟の二人だけだ。 現刑事である剣持、元刑事であるジェットは、敵ではなく獲物に分類されたのだろう。 だからこそ、高遠の共犯者であるらしいティアナは剣持を始末し、ジェットにも同じ末路を辿らせようとしている。 問題はそのティアナだった。 どんな精神誘導を仕掛けたのかは知らないが、現在彼女は人形として殺意を振るっている。 ティアナから感情を削いだ方法、それさえわかれば、共犯者たる彼女は致命的な落とし穴にすらなり得る。 (まさか魔法やポロロッカなんてものを使ったとは思いたくないが……催眠の類ならまだ看破する策はある) 忍び寄る魔の手は、もうすぐそこまで。 攻守の逆転を狙い、ジェットは一つの賭けに出た。 (俺もそろそろ腹を決めるか。と、その前に……望み薄だが、保険を仕掛けとくか) その場にしゃがみこみ、ジェットは石を打ち鳴らした。 ◇ ◇ ◇ 私の望み。それは、他者には到底理解のしえぬものでしょう。 奇人変人と罵りください。私はその蔑称を受け入れます。 奇人たりえなければ、奇術師は務まらない。 変人たりえなければ、犯罪者は務まらない。 両立してこそ、地獄の傀儡師は務まるのです。 ◇ ◇ ◇ 「誰かが死ぬとしたら……今夜ほど、おあつらえ向きな夜は無い。そうは思いませんか? 」 ティアナがジェットの排除作業に徹しているであろう頃。 食堂室では、高遠遙一とミリア・ハーヴェントがこんな会話を繰り広げていた。 「おあつらえ向き? 誰かが死んじゃうのに向いてる夜って、どんな夜?」 「あなたが先ほど披露していたお話……金田一君が解決したという事件にも似た夜、とでも言いましょうか。 推理小説はお好きで? 1930年初頭のアメリカの名著といえば、なんでしたかね」 「ホゥムズならよ~く知ってるよ! こういうのはアイザックのほうが詳しいんだけど」 「そうですか。なら、なにかピンとくるところはありませんか? 豪華客船……七人の乗客……消えた男性が一人……訪れる夜……どうです?」 「いかにも事件が起きそうな感じだね!」 「ええ、私もそう思います。そして、実際に剣持警部という人が消息を絶っている。 ひょっとしたら、事件は既に起こっているのかもしれません」 「ええええー!? それじゃあケンモチって人は……」 「……既に殺された可能性も」 全身で驚いた様子を示すミリアに、高遠はニィッと微笑んだ。 「と、この場にシャーロック・ホームズでもいれば、事件として成り立ちはするでしょうがね。 しかし悲しいことに、今回の一件は事件としては成り立たない」 「どうして? ホゥムズがいないから?」 「ホームズ役がいないからですよ。真相を暴く者が不在の場合、それは事件にはならない」 「でもでも、ケンモチが消えたのは立派なミステリーだよ? ミステリーなのに事件にならないの?」 首を傾げるミリアに、高遠は告げる。 「探偵不在の場に、推理の要素は混在しません。 ゆえに『事件』としては成り立たず、この一件は名を変え『惨劇』と呼ばれることになるでしょう。 ……あなたの恋人であるアイザック・ディアン氏が姿を消した一件と、同じようにね」 高遠の含みある言葉を受け、メトロノームのように首を右往左往させるミリア。 「でも、アイザックはどこに消えたのかわかってるわけだから、同じじゃないんじゃないかなぁ?」 「おや、それはおかしな話ですね。ミリアさんは、アイザックさんがどこに消えたのかご存知で?」 「アイザックはお父さんのお城にいるんだよ! きっと暗~い地下室に閉じ込められてるんだね!」 あっさり言うミリアに、高遠は思わず失笑した。 「いや、失礼。ミリアさん、あなたはなかなかにおもしろい女性だ。 ですが、アイザックさんが螺旋王の下にいるという証拠はあるのですか?」 「証拠……う~ん証拠はないけど、チェスくんはお父さんがアイザックを連れ去ったって言ってたし、 閉じ込めておくんだったらやっぱり地下室の牢屋の中じゃないかなぁ? あ、塔のてっぺんっていうのもありかも」 「……あなたは本当に信じているのですか? チェス君の言葉が真実であると」 ミリアと会話をするには落としすぎのように思えるトーンで、高遠が発する。 「子供というのは、常に悪戯心を内包している生き物です。小悪魔と通称されるほどにね。 またときには、自らが犯してしまった過ちを誤魔化すために、嘘を取り繕ってこう訴えるでしょう。 悪いのは自分じゃない、悪いのはあいつだ、僕は悪くない、と」 「……チェスくんが、みんなに怒られたくなくて嘘をついてるってこと?」 高遠に釣られたのか、ミリアがいつもよりも随分と暗い声調で言う。 「ほう……想像よりも鋭い方だ。いえ失敬、一つの可能性ですよ。なにせ――」 「ならだいじょーぶだよー!」 かと思ったら、すぐに元気を取り戻して高遠の言葉を遮った。 「チェスくんはすっごくいい子なんだよ? みんなに心配をかけまいとして、家族に会いに行くって嘘までついたんだから! あの『線路の道をなぞる者(レイルトレーサー)』が吐き出しちゃうくらいのいい子だしね!」 立ち上がり、ミリアは再び語りに入ろうした。 言葉の中にあった『レイルトレーサー』というのがなんなのかは気になるところだったが、予期していなかった反応に高遠はまず、 「落ち着いてくださいミリアさん。あなたが心優しい女性であることは承知していますが――」 「それにね、これはとーっても不思議なことなんだけど」 声による制止をかけようとするが、しかしミリアは止まらない。 胸元に両手を当て、恋情を募らせるかのような仕草で穏やかに語る。 「チェスくんと話してるとね、なんだかすぐ側にアイザックがいるように思えるの。 アイザックとチェスくんが重なって見えるっていうか……あれ、これってもしかしてミステリーかな!? でもひょっとしたら……ああ~! どどどどどどうしよう~!?」 「……? いったいどうしたというのですか、ミリアさん?」 穏やかになったと思えば、今度は急に慌てふためき出す。 ころころ変わるミリアの百面相に、高遠はある予感を覚えつつあった。 「もしかしてもしかしたら、アイザックは地下室に閉じ込められてるんじゃなくて!」 「地下室に閉じ込められているのではなく……?」 「透明人間になって、チェスくんたちを側で見守っているのかもー!」 ずこっ、 予想だにしていなかった発言が飛び出し、高遠は思わず肩を落とす。 「な、なぜそのような考えに……?」 「だって、本当にチェスくんとアイザックが重なって見えるんだもん。 雰囲気が似てるっていうか、前のチェスくんとはちょっと違うっていうか」 「背後霊、というやつかもしれませんよ?」 「やだなぁ、それじゃあアイザックが死んじゃったみたいじゃない」 笑い飛ばすミリアに、高遠は調子を崩さず、攻め時だと信じ踏み込んだ。 「ええ、問題はそこです。前回の放送……アイザック・ディアン氏の名は、確かに死者として呼ばれている。 あなたはチェス君の証言でそれが嘘だと知っているわけですが、事情を知らない者からしてみれば、 疑うことなくアイザック・ディアンという人は死んだのだと、そう思うでしょうね。 そしてこの事実の厄介なところは、アイザック氏の命運が全てチェス君の証言に委ねられているというところです。 仮にチェス君が真相を話さなかったとしたら、あなたはアイザック氏が死んだと思い込んでいたのではないですか?」 「それは……」 「いえ、言わずともわかります。チェス君の言がなかったら、アイザック氏の死亡は否定できなかった。 そして仮にチェス君の証言が嘘だとしたら……同じくアイザック氏の死亡を否定できる材料はなくなってしまう。 ミリアさん。あなたは恐れているのではありませんか? アイザック氏生存の可能性が否定されることを。 だからこそチェス君の証言を、本心では嘘だと気づきつつも、信じなくてはならない……違いますか?」 笑みを抑え込んだ真剣な表情で、高遠がミリアに問う。一秒待って、 「残念賞だね!」 答えは、思わぬ即答で返ってきた。 「残念賞……とは?」 「チェスくんは嘘なんてついてないし、私もチェスくんのこと信じてるもん。だからヨーイチの推理ははずれ。残念賞」 「チェス君が嘘をついていないという根拠は? チェス君がいい子だから、という解答以外でお願いします」 「チェスくんがすごく強くていい子だから、だよ!」 破顔一笑、ミリアは断言した。 「それは答えになっていないのでは?」 「ううん。なってるよ。だってチェスくんが嘘をついてたら、チェスくんがいい子じゃなくて悪い子になっちゃうもん。 チェスくんはみんなを心配させないためのいい嘘はつくけど、 もし本当にアイザックが死んじゃったのを隠してるんだったら、それは悪い嘘になっちゃうから」 「みんなを心配させないためにアイザック氏死亡の真相を隠している、とも考えられませんか?」 「それでもみんなにとっては悪い嘘になっちゃうし、チェスくんもそのことはわかるはずだよ。それにね」 屈託のない表情はそのまま、まどろむような声でまたミリアが言う。 「アイザックは私を置いて死んじゃったりしないよ。絶対。どんなピンチになっても、百丁拳銃でのりきっちゃうんだから!」 この瞬間、高遠は次なるフェイズへ進むための決断を下した。 ◇ ◇ ◇ 喰らいついたら離さない――なんてのは、どこの誰が言ったんだったかな。 そういや知ってるか? 地球のアジア大陸には、犬を食用にしている国があるらしい。 エドとアインに聞かせてやるか。いや、すまん、冗談だ、許してくれ、ってか腹減ったな。 ……ブラック・ドッグは食用じゃない。一応、言っておくぞ? 一応な。包丁探すな馬鹿野郎。 ◇ ◇ ◇ (彼はかわいそうな人だ。彼は苦しんでいる。そして悩んでいる。けど違った。彼は思いつめたフリをしていたのだ。 そして私や高遠さんを騙した。なんて卑劣な人。楽にしてあげるなんて言わない。優しく、凄烈に、殺してあげる。 でもまぁ、人なんだから死ぬのが怖いのは当たり前よね。本当は許されたいけど、でも死ぬのは怖いってことなのかしら。 ……おじさんの思考ってのはイマイチよくわからない。でもまぁ、いっか。殺してあげるのが一番だ。 死ねば救われるんだから。キャロに謝れるんだから。ね? だから、クロスファイアシュート) 甲板上、ブルーシートに隠されていたテーブルで築かれた山めがけ、ティアナが破壊の魔力スフィアを三発、叩き込む。 本来は牽制や敵射撃魔法の迎撃に使用するクロスファイアを、明確な破壊のために行使するというのも初めてかもしれない。 それでも魔法を知らぬ一般人相手なら十分だ。元よりデバイスなしの制限下では、これが精一杯である。 「――ちぃっ! おい、ちょっと弾幕止めろ! 俺の話を聞け! 少しくらいいいだろうが!?」 「年頃の女の子とお喋りがしたいの? 残念だけど、私そういう趣味ないですから」 「違う! ええい、応じないってんなら勝手に喋るぞ!?」 吹けば弾ける粗末なバリケード、その先に潜むジェット・ブラックは、なにか申し開きをするつもりらしい。 やはり、許されはしたいが死ぬのは怖いということだろうか。それでも関係ない。 「話ってのは、キャロって子のことだ! おまえさんが朝方叫んでた名前!」 (! キャ、ロ……) 次弾を放つべく魔力を集中――しようとしたところで、思わず意識は耳に傾いた。 意識せず、右手でエプロンドレスの裾を握り締める。 「覚えてるだろう!? おまえはあそこで俺に言った、あんたがキャロを殺したってな! 今でもそう思ってるのか!? だから仇を討とうとして、俺を殺そうってのか!?」 パッ、と右の掌が開く。 ジェットの馬鹿げた問いかけに、ティアナは上品な微笑みで返した。 「なんだ、なにを言い出すかと思えば……あのときはごめんなさい。あれ、私の勘違いだったわ。 キャロを撃ったのは、紛れもなく私。私はもう、自分の罪を受け入れた。ひょっとして、ずっと気にしてたの? だったらやっぱりごめんなさい。でもその負い目も含めて、今ここで清算してあげるから」 なんだ、この人はやっぱり後悔していたんだ、そして許されたいと思っていたんだ、そうティアナは確信した。 同時に、だったらなおさら楽にしてあげないと、とも思う。 再度魔力の構築作業に入る、その過程で、 「ああなんだ、やっと誤解が解けたわけか! そうだよなぁ、キャロを撃ったのは俺じゃない! 俺はキャロの死に顔を眺めながら、あいつの体をいろいろ弄くり回して、それから分解してやっただけだしな!」 その、過程、で、 「…………え?」 思考が、停止、する、 「殺人犯だなんて思われちゃたまらん! 俺はただ、『幼女の死体で遊んでただけ』だってのによぉ!」 死姦、というワードが、過ぎる、 「いやしかし、ありゃ今思い出しても最高だったな! 生前の姿も拝んでおきたかったところだ!」 「ちょっと、待って。あなた、なにを、言ってるの? いったい、なに、を」 瞳がぶれる。 焦点が定まらない視線。 脳すらぶれる。 頭が真っ白に飛ぶ。 「ああ!? だから、俺は殺人犯じゃないって言ってるだろうが! 俺が興味あるのは死体の女だけだ! 殺し合いなんて最初は馬鹿げてるとも思ったがな、ああいうカワイコちゃんの死体にありつけるならそう悪くもない!」 なにかが。 得体の知れぬなにかが込み上げてくる。 胸を蹂躙するような熱い痛み。 熱を帯びた衝動が脳髄を掻き毟る。 体温は上昇し呼気は荒々しい。 ――ナンダコレハ? 「なぁ、キャロってのはどんな声で鳴くんだ!? どんな性格だったんだ!? 趣味も聞いときたいところだな! 生前の元気な姿がイメージできないと、いまひとつ『ノ』らないんだ!」 キャロは、優しい子だった。 若輩ながらも厳しい訓練に耐え、泣き言の一つも言わない、良き同僚であり友達だった。 決して、決して、こんなおっさんの慰み者になるために生まれてきたわけじゃない。 わかっているのに、否定の声が出せないでいる。 「ああクソ、おまえさんがキャロの知り合いだと早くに気づいてれば、それもイメージできてもっと楽しめただろうになぁ! こんなことなら、『最後のお楽しみ』はもっと後に取っておくべきだった! ちくしょう、後悔だぜ――」 ――コウ、カイ? ――エ? アナタノコウカイッテ、ソレ、ナノ? ティアナの心音が、激しさを増す。 込み上げてくるモノの正体は、感情。 種別は、怒りと憎しみ。 憤怒と憎悪として、喉の奥に充填される。 痰を発し、声に出す。 「っ、ふざけないで! 女の子の体にいたずらして、あげくの果てにはバラバラにして楽しむなんて変態じゃない! そんなの――」 「――殺すより酷い、か? キャロを殺した本人がよく言うぜ」 突き刺さる。 認めたはずの罪、されど封印したはずの罪悪感を、荒々しいノックでこじ開けられる。 ――アレ? オカシイ。 ――ワルイノハ、ヒドイノハ、アレ? 「言っておくが、おまえにゃ感謝してるんだぜ!? あんな上等な死体を拵えてくれたんだからなぁ! 俺は死体好きだが、元刑事である以上、法は無視できん! だから自分で作るってことはまずしないんだ!」 ――ワカッタ。モウイイ。ダマレ。 「ま、この非常時に法律や道徳がどうのこうの言うつもりもないがな! そういやおまえさん、あのときこう叫んでたよな!? キャロの体をこんなにして――って!? ――ソウイウコト、ダッタンダ。 「ありゃひょっとして、怒ってたのか!? 大切な仲間をバラバラにされて――その楽しみを、赤の他人である俺なんかに奪われたことが!」 「――っ、っ、だま」 満たされる。 占領される。 体の中が熱。 頭の中も熱。 熱っぽい体。 怒怒怒怒怒。 「黙れええええええええええええええええ!!」 ――その瞬間、ティアナの体内に仕掛けられていた、ある種の箍が外れた。 同時に、自分がずっと勘違いをしていたのだと気づく。 ジェットは許されたいだなんて思っていなかった。 彼が背負っていた後悔の正体は、絶好の機会に自身の欲求を満たしきれなかったやりきれなさ。 高遠に見せていた上辺の申し訳なさなど、世間体を気にしていただけ。 「クズ! 下衆! 変態! 死ねッ! 死なすッ! あんたは死なすッ! 今ここで死なすゥ!!」 「ハッ! 人殺しとちょっと趣味の特殊な奴、どっちが下劣かなんて頭じゃわかりきってるだろうが!」 「うっさい! うっさいうっさいうっさい! クロスファイアアアアアアアアア!!」 ああもう、細かいことはどうでもいい。 このまま、押し寄せてくる欲に身を委ねたい。 感情の全てをぶつけたい。 取り繕わない。 キャロの無念を晴らしたい。 そうして自分を納得させたい。 満足したい。 安心感を得たい。 変態オヤジをぶっ殺したい。 「シュートオオオオオオオオオオ!!」 ――激昂した状態で魔力構築を為せるはずもなく、しかしそれでも強引に、ティアナは魔力スフィアを作り出す。 球体とは呼べない歪な形態を取りながら、スピードだけは先程よりも加速して、ジェットに放たれる。 ジェットは、したり顔でそれを受けた。 「グッ!?」 嗚咽は一瞬。微動もせずに一発目を受けたジェットは、衝撃で後ろに弾かれる。 地から足が離れた刹那。追撃の第二射が、ジェットの身をさらに焼く。 宙を舞う体がツイスト。三射目の命中による三連撃を受け、ジェットは艦橋の壁に衝突した。 「ガッ……」 拉げる壁。直下に蹲るジェットの身。焼け焦げた臭いが鼻を突く。 しかしこれではまだまだだ。ジェットはまだ死んでいない。死んでいるはずがない。 なぜなら、ティアナはまだなにも得ていないのだから、死んでいるはずがないのだ。 「死んだ? いいえ死んでない! 死なす! むしろ死ね! 死死死死死死シシシシ――」 醜悪な形相を気にもせず、ティアナはジェットのほうへ駆け出す。 求めたのは感触だった。射撃による結果ではなく、物理的手段を持ってしての確かな死の感触。 阿修羅と成り果てた総身が、復讐を成就せんと走る。 「――おぬし、いったいなにをしておるのだ!?」 道を遮ったのは、二つの小さな人影だった。 ◇ ◇ ◇ 時系列順で読む Back 鉄壁の意志、揺るがぬ信念 Next グッドナイト、スイートハーツⅡ 投下順で読む Back 鉄壁の意志、揺るがぬ信念 Next グッドナイト、スイートハーツⅡ 195 刑事と婦人と不死の少年は三人の奇人を前に沈黙する(前編) ティアナ・ランスター 217 グッドナイト、スイートハーツⅡ 195 刑事と婦人と不死の少年は三人の奇人を前に沈黙する(前編) ジェット・ブラック 217 グッドナイト、スイートハーツⅡ 195 刑事と婦人と不死の少年は三人の奇人を前に沈黙する(後編) チェスワフ・メイエル 217 グッドナイト、スイートハーツⅡ 195 刑事と婦人と不死の少年は三人の奇人を前に沈黙する(後編) ミリア・ハーヴェント 217 グッドナイト、スイートハーツⅡ 195 刑事と婦人と不死の少年は三人の奇人を前に沈黙する(後編) 高遠遙一 217 グッドナイト、スイートハーツⅡ 195 刑事と婦人と不死の少年は三人の奇人を前に沈黙する(後編) ガッシュ・ベル 217 グッドナイト、スイートハーツⅡ